2008年 08月 30日
「着物柄に見る戦争」平和の礎展を観て |
今月観た展示会。
吉野氏のイルカの写真展と同じ会場で開催されていました。
今まで、着物の柄って、美しく、楽しく、可愛らしい、愛すべきものだと感じてきました。
しかし、この展示で並ぶ戦争柄は、
可愛らしい/美しい、柄の中に、
戦後の今となっては、
祖母や伯母たちの戦争体験談を聞いた後では、
複雑な重い気持ちです。
正義の為に戦う=素晴らしい/賞賛すべきものだと
刷り込むマインドコントロール?
国民皆が喜んで戦争柄を身に付けたなんて!!と
不思議な気持ちです。
しかし、祖母や伯母たちは、当時は、いわゆる帝国主義?を、正義というか、良いことをしている、少なくとも悪くは思ってなかったそうなのです。
そう聞くと、軍人さんは格好良い→着物柄に染めて(織って)是非とも着たいと願う人々がいたのもわからなくもない気がします。
事実「生めや増やせや」の文字通りに母には沢山のきょうだいがいましたし。
病弱な伯父が志願して、シベリアに出征したのも事実です。
伯母たちは、少女時代=戦時中には、軍人さんの家に奉公に出たり、軍需工場で勤労奉仕したりしてたそうなのです。
今思えば信じ込まされていた、と言いますが。
私は、そんな伯母たちの話を聞いて、
戦争柄が可愛らしく美しい=気味悪い。と感じたのかと思います。
来場者の中に、気になる意見を周りに聞かせるように声高に叫ぶ人たちが二組いました。
ひと組の男性陣は、戦争柄がとても格好良い、
戦地で戦った男達がいたからこそ今の平和が存在する、
今こそ、こういう格好良い戦争柄を復刻すべきだと讃え合う人たち。
その場で被爆者のビデオが流れているのに!!
涙なくては見られない語りがです。
案内の方に意見を強要するのが、とても不快でした。
もうひと組の方は女性。
こんな展示会は着物を台無しにする、大反対だと拒絶する大声が。
とても興奮して叫んでいるので、
あまり聞き取れず、何を言いたいのかわかりませんでしたが。良い着物を沢山持っていて、
着物が大好きで
着物を毎日着ていると洋服で言っています。
私は、美しく可愛らしくあるべき着物を台無しにしたのは、
マインドコントロール?当時の時代の流れ?
今の私たちは、再びその過ちを繰り返さない為に、
その事実を見る必要があると思います。
この展示会で私は、
今後、着物だけではなく、色々な物事に注意深く用心し続けなければならないと、
気付かせてくれたと思うのでした。
事実、迷彩柄やガン、ナイフを格好良いと好きになる人たちもいるでしょう。
愛する人を救う為、正義の為には戦うと明言する人も。
今の苦境をひっくり返したい、戦争が起きればいいのに、という発言を目にした時はとても驚愕しました。
武力では、名も無き弱い民だけがダメージを受け、本当にズルい人たちは痛手をさほど負わない、何も解決しなさそうな気がするのですが。
by piccolo0331
| 2008-08-30 17:33
| きものまわり